1. 経済成長の見通し
- 前回の報告書では、石炭輸出価格の下落を受けて、2025年の成長率予測を6%から下方修正した。
- 一方で、以下の要因が経済成長を下支えすると評価している:
- 農牧業部門の回復
- 金・銅価格の上昇
- 輸出収入の増加
- インフレ率は2025年2月にピークを迎えた後、6月には8.2%まで低下し、安定傾向に転じた。
- 昨年は鉱業部門の急成長により輸出と予算収入が大幅増加したが、今年は石炭輸出の減少が影響し、
- 国際収支赤字の拡大
- 予算収入の減少
が課題となっている。
IMFは、外部ショックへの耐性を高め、持続可能な成長を確保するため、以下を提言した。
(1) マクロ経済政策と財政運営
- マクロ経済政策は慎重かつ多様化し、安定を重視する。
- 大規模投資プロジェクトは、予算の枠組み内で優先順位を明確化した上で実施。
- 財政の安定性を確保するため、計画的な支出管理が必要。
- モンゴル銀行(中央銀行)は、
- インフレを現状水準で抑えるための金融政策スタンスを維持。
- 中央銀行法の改正により、
- 法的独立性の強化
- ガバナンス体制の改善
を図るべきとした。
- さらに、中央銀行による予算外活動の終了を求めた。
- ビジネス環境の改善
- 汚職防止とガバナンス強化
- 気候変動対策の推進
IMFは、モンゴル経済が今後も成長を続けるためには、外部依存度を減らす構造改革と財政・金融制度の強化が不可欠であると指摘。特に、大規模プロジェクトの優先化と中央銀行の法的独立性確保を最重要課題として挙げている。