モンゴル政府は2024~2028年政府行動計画において、金の生産拡大、金精錬所の建設、鉱物資源輸出品目の多角化を重点政策として掲げている。世界的な地政学リスクや経済の不透明感が続く中、金価格が高水準で推移していることから、埋蔵量が確認されている金鉱床を経済活動へ投入することは、輸出収入、外貨準備、財政収入の拡大に大きく寄与すると、J.Enkhbayar 経済開発相が説明した。
 
現在、モンゴル国内では494.3トンの金埋蔵量が確認されており、金鉱山関連の採掘ライセンスは597件発給されている。このうち83%が砂金鉱床、17%が硬岩鉱床である。一方で、特別保護区域内にも95.5トンの金資源が存在しており、自然環境や歴史・文化遺産の保護と経済開発との両立が重要な課題となっている。
 
モンゴル銀行への金売却量は、2024年が16トンであったのに対し、2025年は10トンまで減少した。また、2026年1~5月の金輸出量は2.5トンとなり、前年同期比27%減となっている。
 
政府は、Selenge県 Mandal郡に位置するGatsuurt金鉱およびEreen-Baavgait金鉱の一部が、Noyon Uul特別保護区と重複していることから、長年にわたり開発が停滞していると説明した。
Gatsuurt鉱山の可採埋蔵量は42.3トン、Ereen-Baavgait鉱山は10.5トンであり、両プロジェクトを実施することで、合計52.8トンの金資源を経済活動へ投入できる見通しである。
 
政府提出の決議案では、鉱区と重複する区域をNoyon Uul特別保護区から除外し、新たな境界線を設定することが盛り込まれた。また、境界確定後は鉱量、採掘権、投資条件、政府出資比率、モンゴル側利益配分を法令に基づき整理するとともに、環境保全、鉱山閉鎖、原状回復、財務保証の確保、地域住民および関係者との協議を実施する方針である。
 
Gatsuurtプロジェクトでは、年間最大4トンの金をモンゴル銀行へ売却し、年間5億~6億米ドルの売上を見込む。投資家は政府34%・民間66%の共同事業方式を提案しており、5,000億トゥグルグの前払いを実施するとともに、採掘ライセンス再発給後8か月以内の操業開始を計画している。
 
試算では、事業期間中に国家富裕基金(National Wealth Fund)へ35.6億米ドルを拠出できる可能性があるとしている。一方、Ereen-Baavgaitプロジェクトでは、年間約1トンの金をモンゴル銀行へ供給し、年間1億2,000万~1億5,000万米ドルの売上を見込む。

情報源:モンゴル国会広報室