J.Enkhbayar N.Uchral首相率いる現政権は「自由化政権」を掲げています。その目的は、法制度上の制約を見直し、汚職や官僚主義を排した制度を整備するとともに、投資・ビジネス環境を改善し、経済成長を阻害する要因を取り除くことにあります。
この方針の下、「企業活動の自由に関する法律」、「投資法」、「違反法」の3法を一体的に改正しました。新法では財産権や企業の信用保護を法的に明確化し、事業者の権利保障を強化しています。
また、この半年間に各産業の投資家との対話や投資環境の分析を進めた結果、モンゴルの投資環境にはなお改善すべき点が多いことが判明しました。このため、40以上の法律にまたがっていた投資規制を整理し、より開かれた制度へと見直しました。
――外国直接投資を呼び込む環境整備は進んだと考えてよいのでしょうか。
J.Enkhbayar氏 外国投資は経済成長にとって極めて重要です。現在、外資系企業は法人所得税収の24%、国内賃金総額の16%、社会保険料収入の18%を担っています。このことからも、外国投資が経済に果たす役割は非常に大きいと言えます。
こうした背景を踏まえ、これまで外国投資を制限してきた制度を大幅に見直しました。また、観光、サービス、先端技術、食品、軽工業などの分野では、外国人材の受け入れについても柔軟な政策へ転換しています。
モンゴルの人口は350万人規模に達した一方、労働力不足が顕在化しています。経済規模も100兆トゥグルグに迫る中、さらなる生産拡大と雇用創出が必要となっており、労働政策の一層の自由化・柔軟化が求められています。
――外国投資家に対して、具体的にどのような制度改革を行いましたか。
J.Enkhbayar氏 金融分野では大きな制度改革を実施しました。外国銀行のモンゴル進出に関する法的・税制上の障壁を引き下げ、金融分野への投資拡大を後押ししています。
また、投資家が投資資金を国外へ送金する際の税負担も軽減しました。
さらに、事業活動の障害となっていた各省庁の規則や行政手続きについても見直しを進めました。許認可、届出、証明書、認証などの制度を整理し、各産業で必要となる許認可を法律上明確化したことで、行政による恣意的な規制を抑制し、予見可能で安定した事業環境の構築を目指しています。
――企業活動の自由に関する法律では、企業や国民の利便性はどのように向上しますか。
J.Enkhbayar氏 企業活動の迅速化を目的として、電子プラットフォーム「e-Business」を導入しました。
このシステムでは、事業者はオンラインで届出を行うだけで事業を開始できるほか、行政サービスや資産移転など300種類以上の手続きをワンストップで利用できます。
制度の本格運用により、投資環境は大きく改善し、投資家保護や苦情処理制度も一層明確になります。これにより、モンゴルの企業活動の自由度や投資家の信頼はさらに高まると期待しています。
――経済成長を阻害してきた制度上の課題を解決することが狙いという理解でよいでしょうか。
J.Enkhbayar氏 そのとおりです。モンゴルは企業活動に適した国として国際的な評価をさらに高めることを目指しています。
2001年に約10億米ドルだった経済規模は、この25年間で約25倍の250億米ドルへ拡大しました。昨年は約90兆トゥグルグに達し、今年は100兆トゥグルグに近づく見通しです。
一方で、賃金や年金、社会保障費の増加に加え、道路、航空、国境・税関、物流拠点、エネルギーなどインフラ整備への大規模投資が必要となっています。そのためにも、経済をさらに拡大していく必要があります。
――地方の自立的な発展についてはどのように考えていますか。
J.Enkhbayar氏 地方経済の自立は重要な課題です。現在、21県のうち16県は国の財政支援に依存していますが、5県は域内総生産が1兆トゥグルグを超え、自ら投資を呼び込み発展を進めています。
代表例がUmnugobi県です。同県では教育、医療、文化、インフラが大きく改善され、国際空港化も進められたことで、韓国などからの国際便受け入れも可能になりました。Dorngovi県も投資誘致を進めており、Orkhon県やDarkhan県など工業地域でも経済発展が進んでいます。
――一方で発展が遅れている地域もあります。
J.Enkhbayar氏 1980年代半ばに約3万6,000人だったUmnugobi県の人口は、現在では約18万人へ増加しました。雇用と投資が地域に人を呼び込んだ結果です。
県議会は年間約1,300億トゥグルグの投資を独自に決定できる一方、一部の県では年間20~40億トゥグルグの国庫補助で職員給与を賄う状況が続いています。Umnugobi県では郡レベルでも年間30~40億トゥグルグ規模の投資事業を実施しており、住民生活の質は大きく向上しています。これは、地域資源を有効活用し、投資を呼び込み、産業化を進めることが地方発展につながることを示す好例です。
――今後の発展には何が重要になりますか。
J.Enkhbayar氏 投資を呼び込み、企業活動しやすい環境を整えるとともに、資源を単に輸出するのではなく、高付加価値製品へ加工する産業を育成することが持続的な成長への最も重要な道です。資源を有効活用し産業化を進めることができれば、モンゴル経済は新たな発展段階へ進むことができると考えています。
情報源:Udriin sonin日刊紙




















