国連砂漠化対処条約(UNCCD)の第17回締約国会議(COP17)が8月17~28日、ウランバートルで開催される。197カ国・地域の締約国を中心に各国政府、国際機関、研究者、市民社会、民間部門などが参加し、砂漠化・土地劣化・干ばつへの対応や持続可能な土地利用について協議する。COP17では、2030年以降の戦略的枠組み、民間部門の参加、砂塵嵐対策、牧草地の持続可能な管理など11項目について決定の採択を目指す。
モンゴルは地理的・気候的条件から気候変動の影響を受けやすく、降水量の減少や干ばつの頻発などを背景に、砂漠化や土地劣化が深刻な課題となっている。こうした経験を国際社会と共有し、各国との協力を強化するため、モンゴル政府は2021年、UNCCD締約国会議の開催国となることを正式に要請した。
2022年にコートジボワールで開催されたCOP15で加盟国の支持を得て、モンゴルがCOP17の開催国に決定した。COP17には各国の政策決定者に加え、科学者、研究者、地域社会、牧畜民、女性、若者などが参加する。健全な土壌の維持、持続可能な土地利用、食料安全保障、気候変動、生物多様性保全などを巡り、政策や実践的な解決策、各国の経験を共有する。
モンゴルにとっては、自国の砂漠化対策や牧草地管理の経験を国際社会に発信するとともに、土地劣化や牧草地の持続可能な利用について、国際的な取り組みと地域レベルの対策を結び付ける機会となる。
UNCCD197カ国・地域が参加
UNCCDは、1992年の国連環境開発会議(地球サミット)を契機に交渉が始まり、1994年にパリで採択、1996年に発効した。気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)、生物の多様性に関する条約(CBD)とともに「リオ3条約」の一つに位置付けられている。
現在のUNCCD締約国は197カ国・地域(196カ国と欧州連合)。モンゴルは1996年に批准・加入した。
COP1711項目で決定採択を目指す
COP17では、主に以下の11項目について協議し、決定の採択を目指す。
1.財政規則の改定
COP、条約実施状況審査委員会(CRIC)、科学技術委員会(CST)、グローバル・メカニズムなどに適用する財政規則を改定し、国連の現行財務規則との整合性を図る。
22030年以降の戦略的枠組み
戦略目標、具体的な目標・指標、資金調達、実施メカニズムなどを検討し、2030年以降のUNCCDの取り組みをより効果的かつ測定可能なものとする。
3.市民社会・オブザーバーの参加拡大
市民社会、若者、先住民、地域社会、牧畜民、女性団体、地方自治体などが会合や交渉、条約の実施に参加する機会を拡大する。
4.民間部門の参加促進
土地劣化ゼロ、土地回復、干ばつへの強靱性向上に向け、民間企業の資金、技術、サプライチェーンなどの活用を促す。
5.国際条約・機関との連携強化
砂漠化、土地劣化、干ばつ、気候変動、生物多様性の損失を相互に関連する課題として捉え、UNFCCC、CBDを含む「リオ3条約」間の連携を強化する。
620272028年事業計画・予算
UNCCD事務局、グローバル・メカニズムなどの2027~2028年の活動予算、人員、締約国の分担金などを協議・承認する。
7.土地劣化・干ばつと移住
砂漠化や干ばつによる生計、食料、水、経済への影響を踏まえ、土地回復や農村部の生計支援を通じて、移住や強制移転のリスクを軽減する方策を議論する。
8.ジェンダー平等
女性や少女の土地に対する権利、天然資源へのアクセス、情報・資金・技術の利用、意思決定への参加機会の拡大を目指す。
9.土地の所有・利用権
土地所有権・利用権の保障を土地回復政策や砂漠化・土地劣化対策、関連プロジェクト・投資に体系的に組み込む。
10.砂塵嵐・黄砂対策
砂塵嵐の発生源や影響を抑えるため、早期警戒システム、リスク評価、資金調達、土地管理、発生源対策、国境を越えた地域協力を強化する。
11.牧草地と牧畜民
牧草地の保全、持続可能な管理・回復を進めるとともに、牧畜民の生計支援をUNCCDの重要な優先課題として位置付ける。
 

情報源:Montsame通信