ウランバートルで開催中の国連砂漠化対処条約第17回締約国会議(UNCCD COP17)において、日本の農林水産省から初めてとなる対面でのデリゲーションが派遣された。会議期間中、農林水産省は21日にサイドイベント「環境再生型農業・持続可能な土地管理:日本の革新的な技術とアプローチ」を開催し、官・民・学および国際機関の連携による持続可能な土地管理の推進について活発な議論を交わした。
会議の合間を縫って、現地での手応えや今後のモンゴルとの連携、そして初訪問となったモンゴルの印象について、農林水産省 輸出・国際局 国際戦略グループ 国際専門官の川島 裕さんに話を聞いた。
――今回、モンゴルで開催されているCOP17にはどのような期待を持って参加されたか。
今回のCOP17は「RESTORING LAND, RESTORING HOPE」というテーマが掲げられている。土地の改善が人々の希望につながるという重要な取り組みが行われていると認識している。農林水産省としてUNCCD COPに対面で参加するのは今回が初めてだが、近年、土地劣化への対応は世界的に非常に重要な課題となっている。こうした背景から、私たちも今回のモンゴル訪問を決めた。
――実際に参加されてみて、どのような印象を持ったか。
今回のサイドイベントでは、非常に多くの方々に関心を持っていただき、無事に開催できたことが強く印象に残っている。
また、今回のCOPのテーマである「土地再生」を成功させるためには、農民の方々に利益をもたらす取り組みや持続可能なビジネスモデルの構築が不可欠であると、サイドイベントを通じて改めて実感した。
技術導入のカギは「農民の利益」と「意識改革」
――サイドイベントでは、技術導入の定着や普及に向けた民間企業とアカデミア、国際機関の連携について議論がなされましたが、最終的にどのような結論に至ったのでしょうか。
パネリストの方々との議論の中で、特に重要だと感じたのは「新しい技術が開発された際、それを受け入れる側の体制をいかに整えるか」という点だ。
技術の導入初期段階では、政府や大学などのアカデミアによる支援が欠かせない。しかし、支援が終了した後にその技術を使うのは現場の農民の方々だ。彼らが自発的に使い続けたいと思えるかどうかが最大の課題となる。
そのためには、以下の3点が極めて重要になる。
  • プロフィタビリティ(利益)の確保:新しい技術が自分たちにとって真に役に立ち、経済的な利益をもたらすと実感できること。
  • キャパシティ(知識・技術)の獲得:新しい方法を使いこなすための知識や技能を身につけること。
  • 意識の改革:これまでの慣習にとらわれず、新しい考え方や手法を受け入れる姿勢を持つこと。
――技術面だけでなく、現場の人々とのコミュニケーションが重視されている印象を受けた。今後どのようにアプローチしていくのでしょうか。
企業や大学においてもそれぞれの取り組みが進められているが、やはり「現場の人々とのコミュニケーション」が一番のポイントだ。自分たちが何をしようとしているのかを丁寧に説明し、相手に納得して受け入れてもらう姿勢が何より大切だと考えている。モンゴルとの今後の協力と現地での印象
――今後、モンゴルとの協力関係をどのように展望している。
農林水産省として初めて対面参加したことで、パビリオンの様々な展示などを通じてモンゴル現地の実際の取り組みを深く学ぶことができた。日本へ帰国後、今後どのような具体的な協力ができるか検討を進めていきたいと考えている。
――初めてのモンゴル訪問とのことですが、印象はいかが。
飛行機で到着してまず驚いたのは、日本の約4倍という広大な国土です。その雄大な自然の中で遊牧という伝統的な生活習慣を守り続けている点に、文化的な魅力を強く感じった。また、広大な自然とウランバートルのような近代都市が共存している姿も印象的だった。日本も自然との共存を大切にする国ですので、非常に親近感と共感を覚えた。
――最後に、滞在中で最も心に残ったことを教えてください。
空港から会場に至るまで、ボランティアの皆さんが非常に親切に対応してくださったことに大変感激した。温かいホスピタリティに触れ、とても強く心に残っている。
――貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
 
情報源:Montsame通信