覚書に署名したのは、ロンドン証券取引所に上場し、モンゴルで石油探査を手掛けるPetro Matadの子会社SunSteppe Powerと、サウジアラビア市場に上場するエネルギー企業ACWAだ。
計画では、モンゴルの再生可能エネルギー資源と中国に隣接する地理的優位性を生かし、越境電力輸出のインフラを整備する。供給の安定性を確保するため、蓄電容量50万キロワット時の蓄電池システムも組み込む方針だ。
再生可能エネルギー分野に新たな機会
Petro MatadのMike Buck最高経営責任者は、ACWAのモンゴル市場参入が再生可能エネルギー分野の発展にとって重要な前進になると強調した。国際的なプロジェクト金融の経験とモンゴル市場に関する地元の知見を組み合わせることが、電力輸出事業の開発に重要だと説明した。
ACWAの中国事業担当社長Saleh Al Habti氏は、モンゴルの豊富な再生可能エネルギー資源と中国に近い立地が、国境を越えたクリーン電力取引を拡大する機会になると指摘した。中国で高まる安定的なエネルギー供給への需要を満たす一助になるとの見方を示した。ただ、現時点で締結されたのは協力覚書にとどまる。最終投資決定や着工時期は公表されていない。
計57万キロワットの開発案件
投資家は450万キロワットの輸出計画に加え、Petro Matadの合弁会社SunSteppe Renewable Energyが進める事業にも注目している。同社の事業群は計57万キロワットで、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた3案件、および風力・太陽光発電と蓄電池を組み合わせた1案件で構成する。
Petro Matadの試算では、各案件を着工可能な段階に進めれば、モンゴル市場の評価水準に基づき、2027~2029年に2,000万~3,000万米ドルの追加的な開発価値を創出できる可能性がある。
このほか、同社は合計12万4,000キロワットとなる可能性のある新規案件を特定した。日本政府の無償資金協力を受けられる可能性があるグリーン水素事業も含まれる。また、モンゴルの鉱業会社が求める独立電源型の再生可能エネルギー需要は、50万キロワットを超える可能性があると試算している。
資金や送電網などの具体化が課題
輸出事業が実現すれば、モンゴルの再生可能エネルギー生産を拡大し、新たな電力輸出源を確保するとともに、海外投資を呼び込む機会となる。
一方、450万キロワットの輸出計画はなお初期段階にある。資金調達、送電インフラ、輸出に関する制度、実施時期など、主要条件を具体化する必要がある。
情報源:mpress.mn




















